診療情報
「歯ぐき磨き」で肥満予防!
歯磨きを怠ると、むし歯や歯周病になるだけでなく、太りやすい体になってしまいます。その原因は、磨き残しで発生する「バイオフィルム」。汚れが歯にたまると細菌が繁殖して白くネバネバした歯垢になるのですが、この歯垢が放置されることで、生物の膜であるバイオフィルムに変異します。
これは、台所やお風呂場の排水溝に付着するぬるぬるした膜とまったく同じもの。バイオフィルムが残った口の中には、排水溝の汚れと同じだというから衝撃的です。
バイオフィルムで太るメカニズムといえば?
バイオフィルムの中には悪玉菌と善玉菌がおり、唾液などと一緒に腸に運ばれると、悪玉菌が腸内環境を荒らすことで腸内細菌のバランスが崩れ、代謝が悪くなり、脂肪が燃焼されにくくなります。
細菌が体に入り込むのは唾液からだけではありません。
歯というのは貝柱のような組織である歯ぐきにしっかりと付着しています。ところが、歯と歯ぐきの間の付着部分がバイオフィルムで覆われると、炎症を起こし、歯ぐきが破壊されて「歯周ポケット」と呼ばれる溝が生まれます。歯周ポケットは傷のようなもの。ここに内毒素が残り、それが血糖値を下げるインスリンの働きを阻害します。
血糖値コントロールが悪化すると糖質代謝や脂質代謝が悪化し、内臓脂肪を蓄積させることで太りやすくなり、メタボリック症候群を引き起こすのです。
バイオフィルムを寄せ付けないようにするには、優しく小刻みに歯ぐきを磨くことがポイント。必要に応じてフロスや舌磨きをし、仕上げにマウスウォッシュを使用するとより効果的です。
引用:女性自身 23.6.27