診療情報

口腔ケアで感染リスク回避を

人の免疫は、病気を軽く済ませてくれたり、病気の発症を未然に防いでくれます。感染症は、ウイルスや微生物が悪さをする力と免疫力のバランスが崩れた時に生じるので、免疫力優位のバランスを保っておく必要があります。その方法の1つが「口腔ケア」です。

口の中には細菌がたくさんいて、身体を守る働きがあるものもいますが、悪さをする細菌もいます。歯磨きでこの悪さをする細菌やウイルスを減らすことが大切です。また、舌の表面に付いた舌苔（ぜったい）にも細菌の塊があります。これらの細菌も口腔ケアにより減らすことで、口腔の免疫が十分に働くことができます。

口腔の免疫はIgA（アイジーエー）という抗体が、害を及ぼす微生物を排除してくれる粘膜免疫というシステムで保たれています。しかし、このIgAも口の中が汚れていれば、敵が多すぎて防衛が難しくなってしまいます。
新型コロナウイルス感染症に対しては、ワクチンや治療薬の開発が進んでいますが、大切なのは感染しないために良いと考えられる予防法をなんでも行うということです。歯磨きなどの口腔ケアは、インフルエンザの感染リスクを下げることが分かっているので、新型コロナウイルス感染症対策として試す価値は十分あると言えるでしょう。