診療情報
マスク時代の口腔リスク相談室
マスク時代だからこそのお口の悩みが尽きません・・・
症状がなくても進行中!?今こそ口腔ケアの見直しを
コロナ禍でマスクの着用が定着する現在、「マスクはむし歯や歯周病のリスクを高める」という話を聞いたことがありますか?
マスクをすると唾液が減って口の中が乾燥するため、事実無根の噂ではありません。歯肉が乾燥すると免疫力が下がるため、歯磨きが不十分で歯垢が残っていると、菌が繁殖してむし歯や歯周病にかかりやすくなります。どんなに入念にケアをしても口腔環境が揺らぎがちな人は、こうした原因があるためでしょう。
口腔環境が悪化すると…
むし歯や歯周病が進行すると、食べ物がしっかり噛めなくなるので、ごはんやパンなどの柔らかい炭水化物を多く摂るようになります。炭水化物の摂り過ぎは糖尿病のリスクを上昇させます。
また、歯周病は糖尿病だけではなく、全身の疾患の要因にもなり得る疾患です。歯周病菌は腫れた歯肉から体内に侵入し、全身に回ることでさまざまな悪影響を及ぼします。
身近な病気「歯周病」
30代以降の8割の人は歯周病にかかっている、もしくは予備軍であると言われています。また、歯周病は痛みが無いため、自覚しづらいという点も特徴です。気付いた時にはかなり進行していることも多く、その結果抜歯しなければならないケースも。このような性質から、「サイレント・ディジーズ(沈黙の病気)」とも呼ばれるあなどれない疾患です。
マスクをしていると口が覆われている分、ついケアが疎かになりがちですが、むしろ今まで以上にしっかりとケアを行うことが口腔環境改善のカギ。毎日のお口のケアを徹底して、マスク時代を乗り切りましょう。
【歯周病が一因となり全身に及ぼす影響】
・認知症
・誤嚥性肺炎
・心疾患
・肥満
・糖尿病
・早産・低体重児出産
・リウマチ
・骨粗しょう症
引用:LEE ’20年12月