診療情報
睡眠時の口呼吸で風邪に 乾燥、低温対策で改善
睡眠時の口呼吸が風邪やインフルエンザのリスクを高めている。このような傾向が、女性の健康向上を目指す「ウーマンウェルネス研究会」が、首都圏の20~60代の男女約600人を対象に行った調査で分かった。
調査では、睡眠時の口呼吸を自覚している人は約46%と半数近く。就寝時に口呼吸を「よくしている人」の約54%が「風邪を非常にひきやすい」「どちらかというとひきやすい」と回答。
調査を監修した帝京大ちば総合医療センターの教授によると「乾燥や低温、花粉などの環境ストレスで口呼吸をすると異物やウイルス、細菌が鼻の粘膜で除去されずに体内に入り、風邪やインフルエンザのリスクが高まる」という。
教授は、①口の中が乾きやすい②起床時にのどが痛い③いびきをかく④鼻づまりがある、などの場合は「睡眠時に口呼吸をしている可能性がある」と指摘。「口呼吸で風邪のリスクが高まるだけでなく、正常な呼吸が阻害され、睡眠の質も低下してしまう」と話す。
対策として「就寝時に部屋を加湿、加温して、のどや鼻を蒸しタオルなどの蒸気で温めたり、加湿機能があるマスクを利用したりするのが有効」という。
【鼻呼吸のメリット】
◎鼻毛と鼻粘膜の表面にある線毛で異物やウイルスが除去される
◎鼻腔の中で外気が加湿・加温される
◎温められ、加湿された空気がのどから肺に届く
【口呼吸のデメリット】
×異物やウイルスが除去されない
×冷たく乾燥した空気が直接のどに入る
×のどがダメージを受けやすい
×風邪やインフルエンザにかかるリスクが高まり、睡眠の質も低下する
引用:中部経済新聞 2019年11月14日 朝刊18面