診療情報
「妊娠性歯肉炎」定期的に歯科医院へ
個人差はありますが、妊娠初期はつわりがひどいとにおいや味に敏感になることがあります。その影響で歯ブラシを奥まで入れられなくなるなど、歯磨きがきちんとできなくなり、むし歯や歯肉炎になることがあります。つわりの間は、一日の中で一番体調の良い時にしっかり磨いてあげることが大切です。
また、妊娠中はホルモンのバランスが崩れるため歯肉の炎症が起こることが多く、腫れたり出血しやすくなる「妊娠性歯肉炎」になりやすくなります。妊娠性歯肉炎は口の中だけの症状と思われがちですが、妊娠中に歯周病が進行すると、早産の危険性が高くなったり、低体重児出産のリスクが高くなるといわれています。
このようなリスクを減らすためにも、産婦人科医と相談しながらかかりつけ歯科医院で管理してもらう必要があります。安定期にはいれば治療はもちろん、抜歯なども行えるようになるため、きちんと治療してもらうと良いでしょう。
むし歯や歯周病が進行してしまうと治療が長引いたり、治療そのものが複雑になります。初期の治療であれば簡単な治療で済むので定期的に歯科医院を受診することが大切です。妊娠後期には飲めない薬もあるため現状や体調を把握し、医師に相談しながら治療することをお勧めします。
いずれにせよ、普段からの定期健診が大切なのでこの機会に歯科医院を受診してみてはいかがでしょう。
引用:福島民報 2018年10月15日 朝刊9面