診療情報
顎関節症などの原因に
兵庫県歯科医師会のイメージキャラクター、でん太です。今日は歯ぎしりについてお話したいと思います。
主にストレスが原因で起きる歯ぎしりや食いしばりは、いろいろなところに悪影響を及ぼします。「自分は大丈夫」と思っていても、無意識のうちに癖になっているケースが多いのです。
犬歯の先がすり減って平らになっている
朝、こめかみや顎がだるいか痛い
何かに集中しているとき歯を食いしばっている
顎の内側や舌に歯の跡が付く
などが当てはまる人は、歯ぎしりや食いしばりをしている可能性が高いと言えます。
それによる悪影響として、まず顎関節症が挙げられます。患者数は年々増加しており、顎の痛みが出て重症化すると口が開かなくなる病気です。次に歯周病の悪化です。歯を支えている歯槽骨は歯ぎしりなどで過度な力が加わるとダメージを受け、吸収されて歯周病が進行します。これを咬合性外傷と言います。
そして歯が折れたりすることです。歯が割れてしまうと、最終的には抜歯しなければならないケースが多いので、特に神経が死んでいる歯は要注意です。また、歯ぎしりや食いしばりによって、筋肉の凝りや頭痛が起きて睡眠の質が低下し、体を十分に休めることができなくなるケースも考えられます。
歯ぎしりや食いしばりの最も一般的な治療法は、マウスピースの装着です。歯にかかる力を和らげ、歯や歯周組織などへのダメージを緩和します。歯ぎしりや食いしばりに早めの対応が肝心です。当てはまると思ったら、お近くの歯科医院で相談してください。
引用:神戸新聞 2018年7月23日 朝刊17面