診療情報
症状あればすぐ治療を
「前歯が取れたので差し歯を作ってほしい」「前歯が抜けたので入れてほしい」などと来院される方がいますが、中には希望する前歯の治療から始められないことがあります。下の前歯がかみこみ過ぎて歯を入れる隙間がないことや、かみ合わせの高さが低くなり過ぎているため、奥歯を治療し高さを確保してからでないと前歯が作れないことがあるためです。
このような状況は、長い間歯科治療を受けずに放置してしまったために起こることが多いです。取れても痛くないから、などの理由で放置してしまうと、後々治療期間も長くなり治療費も高額になります。さらに、早めに治療すれば削らなくてもよかった歯も治療が必要になる場合もあります。
歯の不具合を放置すると、小さなむし歯が大きくなり、歯が欠けて神経を取らなければならなくなったり、歯が折れて抜かなければならなくなることや、歯の根の先が化膿(かのう)し顔が腫れて何日も傷み続けることにもつながります。その場しのぎ、症状をそのままにしていると、いつかどこかで全体的な補正が必要になる時が来るかもしれません。
そのようにならないためにも、何らかの症状があったらすぐに歯科医院を訪れ、痛みがなくとも年二、三回のペースで定期健診を受ける習慣をつけるとよいでしょう。
(県歯科医師会)
引用:福島民報 2018年4月16日朝刊9面