診療情報
歯周病菌が全身に悪影響
兵庫県歯科医師会のイメージキャラクター、でん太です。2025年問題をご存じでしょうか?
7年後に団塊の世代が75歳以上になります。その時日本は5人に1人が75歳、3人に1人が65歳以上となる超高齢社会を迎えます。それに伴い、国民医療費の増大がさらに悪化するというものです。
しかし、最近の研究で35歳以上の約8割が罹患しているといわれる歯周病の状態が悪いほど、また歯の本数が少なく、入れ歯などの処置を受けていない人ほど認知症の発症リスクが高く、年間の医療費が増えることが分かってきています。
心臓病、糖尿病、動脈硬化、低体重児童出産・早産、脳梗塞、アルツハイマー型認知症、肺炎、バージャー病、骨粗しょう症などは歯周病菌がつくる毒素が血液中に入って悪影響を及ぼすなどお口の健康が密接に関連します。
歯周病予防は、高齢者の死因の上位である誤嚥性肺炎の予防にもつながります。病状がない場合でも定期的に歯科医院でチェックを受けている人、また、歯ブラシだけでなく、歯間ブラシなどを使用している人は年間の医療費が少ないことも分かっています。
現在「平均寿命」と、介護を必要とせずに自立した生活ができる「健康寿命」には10年に開きがあると言われています。これは人生の最後の10年は寝たきりになる可能性を示唆するものです。
定期的なお口のチェック、指導で「健康寿命」の延伸が大いに期待できます。お口の健康に関心を持ち、いつまでも自分の足で、自分の行きたいところに出向き、食事や会話を楽しみ、人生を謳歌しましょう。。
引用:神戸新聞2018年1月22日 朝刊18面