診療情報
噛めなくなることが問題に 歯を失ったら入れ歯を使う
認知症は、「歯の健康」とも大きなかかわりがあります。
千葉大学予防医学センターの近藤克則教授らのAGES(愛知老年学的評価研究)プロジェクトの研究により
歯がほとんどない人は、歯が20本以上残っている人に比べ、認知症の発症リスクが1.9倍高いことがわかりました。
咀嚼(そしゃく・噛むこと)は脳の認知機能を低下させない、重要な要素である可能性が示されたのです。
また、脳と咀嚼の関係に詳しい日本体育大学保健医療学部(横浜市)の小野塚實教授によれば
よく噛むことで脳の血流が増え、とくに認知症の症状とかかわりの深い前頭前野という部分の神経活動を高められるかが、認知症の発症の有無にかかわっている可能性があると言います。
毎日の食事で噛むことを意識し、咀嚼の回数を意識的に増やしたり、歯ごたえのある食材を食べたりするのは、意外といいかもしれません。