診療情報
糖尿病になってたまるか! 歯磨きと糖尿病の関係
”糖尿病になりたくなければしっかり歯磨きをしろ”と、アドバイスされたことはないだろうか?”何言っているの?関係ないだろう”と笑い飛ばす人もいるかもしれないが、本当の話だ。
歯磨きをしない中高生が歯周病になりやすいことは、ご存じの通り。
実は、歯周病は糖尿病と深いつながりがあり、歯周病の人はそうでない人に比べて、糖尿病の罹患(りかん)率が2倍も高い、という報告もあるのだ。
最近は歯周病になると糖尿病が悪化することもわかっている。
では、なぜ歯周病になると、糖尿病になりやすいのだろうか?
歯周病は歯周病菌が歯と歯茎の間などから入り込み、体に悪さをする状態をいう。それに対抗して人はサイトカインを分泌するが、それがインスリンの働きを邪魔して、細胞への糖分の取り込みを阻害し、血糖値を上昇させる。それが恒常的に起きることで糖尿病になるのではないか、と考えられているのだ。
食べたいものを我慢し、必死になって運動するのも結構だが、糖尿病になりたくなければ、まずは歯磨きを地道に続けることだ。
引用:日刊ゲンダイ 2014年4月2日 15面