診療情報
オーラルフレイルを防ぐための注意点は?
口の老化、やり過ごしやすく
オーラルフレイルとは、噛んだり、飲み込んだり、話したりするための口腔機能の衰えを指します。
オーラルフレイルはケガや病気と違って生活に直接支障がでるわけではなく、やり過ごしてしまいがちなため状態が悪化してしまうといいます。
オーラルフレイルのセルフチェック表に「硬いものが食べにくくなった」「お茶や汁物がむせることがある」「口の渇きが気になる」などが並んでいます。
例えば「むせる」のは飲み込み機能の衰えと関係がありますが、多少むせても収まってしまえば、何もなかったように食事を続けられます。またスルメやたくあんのような硬い食べ物を苦手と感じるようになっても、柔らかいもの中心の食生活が送れます。
負のスパイラルに要注意
柔らかいものばかり食べていると、かむ筋肉を使わなくなって機能が低下するという「負のスパイラル」を招きます。
また、口腔機能が弱まると、栄養摂取が少なくなり、虚弱が進むという悪循環もあります。
オーラルフレイルが進行すると、咀嚼や嚥下、唾液分泌、発声といった機能がさらに低下して、「口腔機能低下症」という病気として扱われることになります。2018年から歯科医院で検査や治療ができる保険診療の対象になりました。
オーラルフレイルは予防できる!
オーラルフレイルを防ぐには、お口を使うトレーニングを意識的に行うことが大切。また、オーラルフレイルは歯周病など歯のトラブルから始まることも多いです。そこでオススメなのが、口の健康状態を定期的にチェックするためにかかりつけの歯科医を活用すること。歯痛などの自覚症状がなくても、半年に1回は定期メンテナンスのつもりで通いましょう。さらに口腔トレーニングのアドバイスを受ければ、オーラルフレイルのリスクを最小限に減らすことができます。
引用:日本経済新聞 2022年8月10日より