診療情報
長寿の基本は「噛む力」咀嚼力
日本は世界トップレベルの長寿国となりましたが、近年では寿命の長さだけではなく、健康寿命にも注目が集まっています。健康寿命とは「加齢による筋力・身体機能の低下はあるものの、医療や介護に頼らず自立して元気に過ごせる期間」を言います。この「健康寿命」を長くするための要素として、「噛む力(咀嚼力)」が大きく関わっています。
噛みしめる瞬間の力だけが「噛む力」ではありません。食べ物を噛み砕き、すり潰し、だ液と混ぜ合わせて塊にして飲み込みやすくすることも含めて「噛む力」です。口の周りの筋力・機能の低下は噛む力を衰えさせ、体を維持するエネルギーの摂取に大きく影響を与えます。
オーラルフレイルに要注意!
英語で「オーラル」は「口腔」、「フレイル」は「虚弱」という意味で、「オーラルフレイル」が全身の老化につながります。
むし歯や歯周病が原因で、歯が抜けたり痛みが出ると、口腔機能が低下して会話や食事に不具合が出ます。また食欲が低下して低栄養の状態になったり、会話が減れば社会的に孤立していきます。さらに機能が低下すると、要介護の状態になってしまうこともあるのです。
噛めない→柔らかいものばかり食べる→噛む力の低下→噛めない
▼
口腔機能の低下
▼
心身機能の低下
よく噛む力を引き出そう!
噛みごたえのある食材を取り入れましょう
よく噛むためには、噛みごたえのある食材を選び、切り方をやや大きめにし、加熱し過ぎて柔らかくなり過ぎないように調理しましょう。
オーラルフレイルを予防
かかりつけ歯科を持ち、半年に1回はご自分の口の状態をチェックして、口腔ケアをしましょう。