診療情報
「お口ぽかん」実は病気
お子さんの口が常に開いていることが気になったことはないでしょうか?
それは「口唇閉鎖不全」という病気かもしれません。口が常に開いていると、歯並びが悪くなって噛み合わせの異常につながったり、口呼吸によって口が乾いてむし歯や歯周病などを引き起こしたりします。また、食べ物が噛みにくい、話しにくいといった症状も出てくる可能性があります。
その原因は一概には言えませんが、アレルギー性鼻炎で鼻が詰まっていたり、口が開きやすい猫背の姿勢でゲームをしたりする子どもが多くなっていることが一因ではないかと考えられています。
ある研究グループが行った3~12歳の3,399人を対象にした全国調査では、子どもの「お口ぽかん」が約3割に上りました。「口唇閉鎖不全」は2020年春から検査に保険が認められるようになり、専用器具で口の周りの筋肉を鍛えて改善を図るなどの指導が受けられます。
お口ぽかんの状態は、子どもが集中している時や睡眠中に口が開いていないか、くちゃくちゃ音を出して食べていないか、などで確認ができます。お口ぽかんは乳幼児健診で指摘さえることもなく認知度も低いので、気になる場合は歯科医院を受診しましょう。
子どもの「お口ぽかん」を防ぐ主なポイント
・正しい姿勢を身につける
・子どもの発達に応じた硬さの食事で、よく噛む習慣をつける
・アレルギー性鼻炎などによる鼻づまりは治療し、鼻呼吸ができるようにする
・楽しく口まわりや全身を動かす体操を取り入れる
口まわりや舌、全身を使った子ども向け健康体操の一例
舌を前に出しながらゴリラのポーズ
<ポイント>
口を大きく開けて、舌が歯にあたらないようにまっすぐ前に伸ばします。
引用:読売新聞2021.11月25日刊