診療情報
マスクシンドロームにご注意を
口呼吸にむし歯や歯周病のリスクが!
最近、マスクの長時間着用による心身の不調を訴える人が増えています。これは、いわば「マスクシンドローム」によるものと考えられています。
原因の一つは口呼吸に!
マスクのフィルターがあると、鼻では『気道抵抗』が高まり、一度に大量の空気を取り込みづらくなります。口で吸う方が抵抗が少なく楽なので、どうしても無意識のうちに口呼吸になってしまう人が、大人も子供も多いのです。暑くなるこれからの季節は、なおさら口呼吸をしやすくなります。
口呼吸は口腔にもリスクが!
通常、口腔はだ液の殺菌作用で清潔に保たれていますが、口呼吸をしていると、だ液が蒸発して乾燥します。すると歯石がつき、雑菌も繁殖するためむし歯や歯周病になりやすくなります。
マスクをしていても口腔を潤すためには、ガムを噛むことが有効です。だ液の分泌が促され、歯の着色汚れがや歯石の付着を予防できます。
もう1つのマスクシンドロームは「歯並びの悪化」です。口呼吸をしていると、口が開けっ放しになり、前歯が出っ張りやすくなることが解っています。大人に比べて子供の歯は動きやすいので、『マスクが原因で歯並びが悪くなる』ということになりかねないのです。
引用:サンデー毎日2021.6月6日号