診療情報
細菌が集まって強固に
兵庫県歯科医師会のイメージキャラクター「でん太」です。「プラーク」という言葉は、最近よく耳にすると思いますが、「バイオフィルム」という言葉はまだ聞きなれないですね。
プラークは、歯の表面に付着しているむし歯や歯周病菌などの細菌の固まりです。白色または黄白色をしていて、舌で触るとザラザラとしています。プラーク中には1ミリグラムあたりに細菌が約1億~2億個存在していると言われています。
食後8時間程度で生成され、ブラッシングをせずに放置をすると、48時間程度で細菌が増殖し、細菌同士が手を取り合ってより強固に結びつき、表面がフィルムに覆われた状態になります。これが「バイオフィルム」です。
バイオフィルムは口の中だけにあるものではなく、排水口やお風呂などのヌルヌル、ぬめりもそうです。バイオフィルムの中には、一般的な抗生剤や殺菌剤は入り込めません。これを長期間放置することで、むし歯や歯周病が進行します。また、細菌の毒素が血中に入り込み、全身疾患を誘発することも明らかになっています。
プラークはブラッシングで取れますが、バイオフィルムになるとブラッシングだけでは取り除くことが難しく、歯科医院での専門的なケアが必要になります。食後はやめにしっかりとブラッシングをしてプラークの付着を防ぐことが重要ですが、歯間ブラシなどの補助用具を使ってもセルフケアには限界があります。
そこで毎日のセルフケアを欠かさず行うとともに、定期的に歯科医院でプロフェッショナルなケアを受けることが重要です。痛くなる前に一度、歯科医院を受診してみてください。
引用:神戸新聞2018年11月26日朝刊15面