診療情報
口腔ケアと全身の健康の関係
2006年より口腔機能に関する評価やサービスが介護保険に導入されました。
これは、口を清潔な状態に保ち、口腔機能を良好な状態に保つことで、以下のようなメリットがあることが明らかになったためです。
■食事がおいしく楽しめる
虫歯や歯周病などで歯を失い、入れ歯(義歯)などになると、うまく物が噛めずに食事が楽しくないと感じる方が多くいます。しかし、口の清潔を保つことで、これらの問題は解決されます。
■誤嚥(ごえん)性肺炎などが少なくなる
老化により、のどの奥にある喉頭蓋(こうとうがい)の機能が低下すると、食べ物や唾液とともに口の中の常在菌が気管に流れ込み肺炎を起こしやすいくなります。これが誤嚥性肺炎といわれる疾患で高齢者の死因の第1位です。
口の中を清潔に保つことで、命にかかわる疾患を予防することができます。
■脳梗塞や心内膜炎が予防できる
歯周病菌などが全身の血液に入りこむことで、脳梗塞や心内膜炎を引き起こすことがわかっています。
■低体重児出産の予防ができる
同じく歯周病菌などが血液に入りこむことで妊婦においては、低体重児の出産リスクが高まることが判明しています。
■口臭がなくなる
口臭も口の衛生と大きくかかわっています。
口臭を改善することで、大きな口を開けて笑い人生を豊かで活気あるものにさせてくれます。
他にも、インフルエンザやバージャー病(四肢や指先に十分な血液が供給されなくなる疾患)の予防ができるといわれています。このように口腔ケアは、全身の健康に大きな影響を与えているのです。