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アルツハイマー 歯周病で悪化

日本人の平均寿命は、2010年時点で男性79.59才、女性86.44才とされており、社会の高齢化が進んでいます。それに伴って、認知症になる患者さんも増えることが想定されています。今回は認知症と歯周病との関連記事をみつけましたのでご紹介します。


名古屋市立大大学院の道川誠教授(生化学)らの研究チームが、歯周病が認知症の一種のアルツハイマー病を悪化させることをマウスの実験で明らかにし、日本歯周病学会で発表した。道川教授によると、これまで歯周病とアルツハイマー病の関係は科学的に研究されておらず、「歯周病治療で、認知症の進行を遅らせる可能性が出てきた」としている。

同大学院と国立長寿医療研究センター(愛知県大府市)、愛知学院大(同県日進市)の研究チームは、人工的にアルツハイマー病に罹患(りかん)させたマウスを用意。2グループに分けて、一方だけを歯周病菌に感染させた。

これらのマウスを箱に入れて球や三角すいの物体を二つ見せた後、うち一つを置き換えて反応を調べると、歯周病のないマウスは新しく置いた物体へ頻繁に近づくが、歯周病を併発したマウスは反応が変わらなかった。道川教授によると、認知機能が低下し、最初に見た物体の形を忘れているため、新しい物体に興味を示さなかったという。

実験後にマウスの脳を調べると、歯周病菌に感染してからの約4か月間で、記憶をつかさどる海馬にアルツハイマー病の原因となるたんぱく質が沈着し、歯周病のマウスの方が面積で約2.5倍、量で約1.5倍に増加。歯周病が引き起こした炎症が脳に伝わり、アルツハイマー病を悪化させたとみられる。

道川教授は「アルツハイマー病には根本的な治療法がない。歯周病を治すことで認知症を抑制できれば、より経済的で容易な治療となるだろう」と話している。

引用:「毎日新聞」2013年6月16日

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